診療科目を横断する治療設計と専門チームの連携
CERECシステムやマイクロスコープ、歯科用CTといった精密機器を日常的に稼働させながら、一般歯科から口腔外科、インプラントまで同一院内で完結する診療体制を敷いている。わかすぎ歯科クリニックでは、保険診療と自費診療の双方を提示したうえで、患者ごとの生活背景や予算感を踏まえた治療計画を組み立てる流れが定着している。院長は東京医科歯科大学での研修課程を経ており、複数の専門領域にまたがる症例にも一人で判断を抱え込まない仕組みを院内に根づかせた。矯正分野では村瀬千明医師がインビザラインプラチナステータスを保持し、審美面と噛み合わせの両立を図った歯列矯正を担当している。
「説明がていねいで、治療の選択肢を押しつけられない」という声が通院者のあいだで目立つ。個人的にも、複数の診療科を渡り歩かずに済む構造は通院回数の圧縮に直結していると感じた。初診時にCTで三次元的な画像を見せながら現状を共有するプロセスがあり、口頭だけの説明より納得しやすいと評価する患者が多い。治療途中で担当医が変わらない点も、継続的な関係構築につながっている。
子どもの口腔育成と成人予防を分けて設計するプログラム
福井県内でいち早くヘルスプロモーション型の予防歯科を導入し、疾患が起きてから対処する従来モデルとは異なる方向へ舵を切った。成人向けには生活習慣や遺伝的素因を加味した個別の予防プランを作成し、定期メンテナンスの頻度まで患者ごとに調整している。小児領域では「口腔育成」と呼ぶ独自の取り組みを展開しており、呼吸・咀嚼・姿勢の三軸から子どもの発育にアプローチする。成長段階に合わせた早期介入によって、将来的な矯正や治療の負担を減らす狙いがある。
就学前から通い始めた家庭では、永久歯のむし歯ゼロを維持しているケースが複数報告されている。予防プログラムの導入で年間の治療費が以前の半分以下になったという保護者の声もあり、経済的な恩恵を実感する層は少なくない。呼吸機能の改善指導では、口呼吸から鼻呼吸への移行を促すトレーニングメニューが用意されている。こうした取り組みは歯科の枠を超え、小児科的な視点を含んだプログラムとして運用されている。
20年超の診療実績が裏打ちする訪問歯科と地域連携
開業から20年以上が経過し、わかすぎ歯科クリニックは福井市内の介護施設や医療機関との連携ルートを着実に広げてきた。通院が難しい高齢者や障害のある方に向けた訪問診療を継続しており、地域包括ケアの中に歯科を組み込む動きを現場レベルで進めている。JR福井駅からアクセスしやすい立地に加え、専用駐車場やバリアフリー設計を備えた院内は車椅子利用者にも対応する。世代を問わず通い続けられる物理的条件を整えた点が、長期通院者の多さに表れている。
訪問診療を利用する家族からは「自宅で受けられる処置の幅が想像より広かった」という反応が寄せられている。義歯の調整や口腔ケア指導だけでなく、嚥下機能の評価まで在宅で実施できる体制を組んでいる。施設スタッフとの情報共有にはカルテの電子化が活きており、担当者間の伝達ロスを減らす工夫が見える。福井市内で訪問歯科の受け入れ枠を常時確保しているクリニックは限られており、その点でも存在感は大きい。
スタッフの成長設計と離職を防ぐ職場の仕組み
「患者様と共に、私たち自身も幸せになる」という理念を掲げ、院内研修や外部セミナーへの参加費補助、専門資格の取得支援といった制度を整備している。キャリアパスが見えにくいとされがちな歯科業界にあって、わかすぎ歯科クリニックはスタッフ一人ひとりの目標を定期面談で確認しながら成長計画に落とし込む運用を続けている。産休・育休の取得実績も積み上がっており、復帰後の働き方を柔軟に調整する土壌がある。有給休暇の取得促進にも具体的な数値目標を設定し、管理職が率先して消化する文化を根づかせた。
異なる経歴を持つスタッフが同じフロアで働くことで、患者対応に多様な視点が入る場面は少なくない。たとえば介護施設での勤務経験があるスタッフは、高齢患者への声かけや動線の配慮で即戦力として機能している。採用面接では技術力だけでなくチーム内での協調性を重視しており、入職後のミスマッチを減らす工夫がされている。こうした人材の層の厚さが、診療時間内の待ち時間短縮にもつながっているようだ。


